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2005年 01月 09日
ジム・ジャームッシュの映画を全て観たわけではないけれど、この人はどこか途方に暮れた子供のような気持ちにさせられて、でも普段はすっかり忘れていて、時々ふと気になる監督だ。 例えば”ナイト・オン・ザ・プラネット”。そんなに古い感じはしないけど、実は1991年のもの。この映画を観ていると、自分がただ偶然地球に生まれついた、小さな宇宙の生物みたいに感じる。物語は夜、5つの都市、地球。時差はあれどもそれぞれの夜にタクシードライバーとその客が出会い、短い旅へと繰り出し夜を紡いでいく。これはオムニバス形式の映画で、どちらかというと夜中にぼんやり観る映画だ。ものすごい超大作ではなく、涙が止まらない感動作でもなく、人生が変わるような素敵なドラマというわけでもない。でもどこか、人の心をくすぐるキーワードが刷り込まれている。 設定が良い。自分が家に帰りたくなくて、でも行くべきところもなく、街を徘徊しているようなそんな情景。人っこひとりいないような夜の街。心もとなくて、タクシーに乗る。でも、この運転手はどこかおかしいのだ・・・。乗る車を間違ったかもしれない。ところが相手は意にも介さず、タクシーを飛ばし話続けるのだ。 人と人の出会いは必然と偶然がある。出会うべくして出会った一期一会というのもあるが、全く意識していなかったところで急に目に飛び込んでくる人との出会いというのは、刺激的でどこか危うい。もう一度出会うのか、もう二度と会わないのか、一瞬全てが自分自身の決断に委ねられたような気がしてドキドキする。 ”ミステリー・トレイン”でもオムニバス形式の映画を撮っている、ジム・ジャームッシュ。1989年当時、工藤夕貴と永瀬正敏が出演して話題になった作品だが、この映画で気になったのは、ストーリーだけでなく彼ら日本人の価値観や性格であった。それぞれの登場人物が同じ夜に汽車をみて、エルビスのブルー・ムーンを聞き、翌朝1発の銃声を耳にするのだが、この日本人カップルが交わす会話がおかしい。セックスをした後、男が髪の乱れを気にし女がそれに対して気にとめたことはないと怒るシーン。始終会話をするのは女で男は黙っている。見てくれだけを気にする今時の男とかわいいが知的でないハスッパな女。こういう皮肉った、でもどこか甘酸っぱいおかしさが刷り込まれているのだ。なるほどなぁ。 彼の最近の作品、”コーヒー&シガレッツ”はどうなんだろう。まだ観ていないが、これもお得意の群像劇。もちろんお気に入りの俳優、ロベルト・ベニーニも出演。興味を引くのがケイト・ブランシエットが出演していること。ビル・マーレイも出ている。きっとこの映画も夜にぼんやりと観るのが良いのかもしれない。
by kumiserendip
| 2005-01-09 06:20
| 映画狂時代
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